(指揮者/高橋利幸HP『徒然草』2009.1.24*二百五段*より)

 女声合唱団ねむの花の演奏会までちょうど二週間になった。このところ風邪が抜けず、気分が晴れない日が続いている。中田喜直さんの作品は何曲も指揮をしているし、中田作品での演奏会の経験もある。その時の録音が何種類かあるので、気晴らしも兼ねて聴いてみた。普段は自分の指揮の演奏は聴かないのだが・・・。

 1976年の録音と書いてあった。33年前か、と思った。聴いてみると、合唱が現在でも通用するくらいによかった。声もよく、心の声にも感じられた。基本的には、指揮者の解釈としても違和感がなかったし、逆に昔の演奏から教えられることがあった。

 合唱指揮にかなりの時間と力を傾注していたころのものだ。一番の充実のひと時だったかも知れない。その後に、オーケストラの指揮にエネルギーをそそぎ、合唱から離れた期間がかなりできてしまった。後悔もある。合唱活動再開までに、中田喜直さんはいなくなってしまった。最後にお会いしたのは、私が合唱指揮者としてではなく、行政マンとして童謡協会の演奏会に伺った時だった。

 27日の演奏会には当然、中田さんはいない。何回も私の指揮の演奏会には会場に来てくださったのだが・・・。

 少しは、成長したか、あるいは老成したかの指揮をみて、聴いていただきたかったのだが。そんなことを思いながらの指揮になるだろう。

 仕事といえば、いろんな仕事をその時その時でやってきたな、と思う。反面、いろいろ種類を多くやりすぎたかな、とも思う。一本道を貫くように生きるべきだったか・・・とも。 

もちろん、そのおかげで得られたものも多いのだから、簡単には結論は出せないが。

 27日の演奏の目指すのは「愛と心の歌」だ。あふれる気持ちを惜しげなく表現したい。小曲もあり、組曲もあり、エレクトーンと朗読との組み合わせの曲もあり、中田喜直の世界がホールいっぱいに広がるはずだ。聴きに来てくださった方に満足いただく指揮をしたい。こう書いているうちに、本当に気持にあふれるものを感じてきた。




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ねむの花 第5回演奏会 「女声合唱の世界 〜忘れられない名曲シリーズVol.1〜

指揮者/高橋利幸HP

愛と心の歌