(指揮者/高橋利幸HP『徒然草』2009.1.29*二百六段*より)

 <ねむの花のchangeとchallenge>

 室内楽の殿堂とも称される「浜離宮朝日ホール」での演奏会。女声合唱団ねむの花の2009年のスタートだ。建築音響の世界的権威ペラネク博士の著書「コンサートホールとオペラハウス」において、世界で16しか選ばれないAランクに評価されたホールで、歌声を響かせることができるのだ。合唱団の演奏回数から言うと5回目の演奏会で、理想の響きをもつホールでの公演が叶う。

 通常の練習を千葉県内で行っているねむの花だ。これまでと同じように、練習会場の近くでの演奏会を企画して当然なのだが、今年は響きのよいホールを求めての演奏会とした。

 少人数の同声合唱団、その中でも女声合唱団として考えると、小規模の響きの美しいホールが残念ながら身近にはないのだ。大きなホールで音響に定評のあるホールはいくつかある。だが、小ホールで音響も・・・となると選択肢が極端に狭くなる。

 名もない小さな女声合唱団の大きなchallengeだ。またchangeでもある。昨年五月の演奏会で邦人作曲家四人展を開催した。創団の当初から日本人の作曲家の作品を取り上げることは明確な方向性であった。今回から、一回の演奏会で一人の作曲家の作品を取り上げ、「作品集」とすることとした。

 大きな目標がある。日本の合唱曲の「古典」と呼べる作品を定着させたいという願いだ。この願いが多くの人に支持されるのか、受け入れられるのか、マーケットとして存在しうるのか、不安は大きい。ただ、言えるのは音楽団体としての利益は求めない。ささやかな思いとしては、できれば目標達成のためにも大きな赤字は避けたい、経済的にはこれが満たされればいいのだ。持ち出しは覚悟としても、私たちの活動に共鳴してくださる方が増えることを願うばかりだ。私たちは心のこもった演奏でお客様の心を満たしたい、癒したい、という気持ちで一杯だ。

 Changechallengeのねむの花の演奏会として、中田喜直さんの作品集は演奏する私たちにも聴衆の皆様にもきっと満足をしていただける筈だ。それは、ラジオ歌謡、テレビ歌謡といわれる誰にもなじみのある小品から、作曲された当時は、アマチュアには演奏不可能と中田氏が語っていた難曲の合唱組曲「蝶」までもを含めることができたからだ。

 各ステージの曲については、今回は団員がそれぞれの思いを文に託すことになっている。指揮者としては、女声合唱団ねむの花の進むべき道をはっきり示したい。そして、音楽表現の根底にあるのは「愛」と「心」だということを演奏の中で証明して行きたいのだ。このひと時だけでもホールを安心感と少しの緊張感と何とも言えない幸福感で満たしたい。




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ねむの花 第5回演奏会 「女声合唱の世界 〜忘れられない名曲シリーズVol.1〜

指揮者/高橋利幸HP

愛と心の演奏会