(指揮者/高橋利幸HP 『徒然草』 2008.4.24*九十六段* より)

 5月10日に女声合唱の指揮をする。邦人作曲家の作品でのプログラムだ。2ヶ月前にバッハのロ短調ミサの指揮をしたが、邦人作曲家の作品になると、当然のことながらバッハの時とは異なる感覚での曲へのアプローチとなる。この違いについては段を改めて書こうと思う。

 女声合唱の魅力と書いたが、正確には女声合唱曲の魅力と言うべきか・・・。
同声のハーモニーの清らかな魅力、つまり声自体の持つ魅力が第一に挙げられるが、それにも増して光を放つのが、ピアノの部分だ。合唱に対してのピアノだから、当然楽器のピアノを指し、そのピアノの為に作曲された、平たく言うとピアノ「伴奏」のことだ。本当は伴奏という言い方は間違いなのだが。

 特に女声合唱の場合は、合唱の音域の限度を思えば、細かな音の表現が可能だということをもってしてもピアノの役割は大きい。88腱をフルに使えば音域が広い。ピアノフォルテと楽器を呼称していたように、ピアノからフォルテまでの音量の幅もある。ハープの役割をアルペッジョで果たすことも出来る。三本のペダルを使えば、音色にも変化を与えられる。
この機能性の高いピアノを十分に生かせるのが女声合唱の大きな武器だし、このピアノの表現力をもってしなければ表現の幅は大幅に狭まるのだ。

 但し、残念ながらピアノが伴奏の粋を脱していない現実の演奏に出くわすことも多い。
指揮者の要求もそれほどは求めていないのかもしれないし、ピアニストも伴奏担当者としての認識が強いのかもしれない。

 今度の演奏会では、四人のピアニストが出演してくれる。これだけでもかなりの贅沢と思う。この企画が成功するか否かの正否は合唱とピアノと指揮が同等の役割を担っている。楽しみでもあるし、緊張も増してくる。




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ねむの花 第4回演奏会 「邦人作曲家四人展」

指揮者/高橋利幸HP

合唱組曲の指揮