(指揮者/高橋利幸HP 『徒然草』 2008.4.28*九十七段* より)

 知人が「ママさんコーラス」の演奏会を聴いてきたとの話を聞いた。「ママさんコーラス」・・・この言葉も違和感なく聞こえるようになった。「ママさんコーラス」の全国大会があるくらいだ。音楽表現のひとつの有効な形だといえよう。

 合唱という表現方法は不思議な力を持っている。どんなジャンルにもプロとアマの違いがあることはだれもが認めることだ。音楽の表現手段もプロとアマの違いはもちろんある。ところが、その違いの一番少ないのが「合唱」かも知れない。団体によってはその志のみならず技量においてもプロに肉薄する団体もある。プロが活動に生活がかかっているゆえに、仕事として音楽表現をしなければならないこともあるのに較べて、十分な練習を積んだアマの合唱団は芸術表現に迫るという点においてプロをもしのぐことがある。

 ちなみに、「ママさんコーラス」という言葉はあっても「ママさんオーケストラ」とか「ママさん吹奏楽団」という言葉はないようだ。

 さて、来月には「ママさんコーラス」ではないが、女声合唱団の演奏会の指揮をする。そこには、四人のピアニストが合唱の伴奏のピアニストとして登場する。本当は、伴奏ではなく純粋にピアニストというのが正しい。その第四ステージで演奏するのが、教え子の一人だ。正確には教え子とは言えないかも知れない。私がある中学校の校長として勤務していた時の吹奏楽部の部員だ。(この徒然草で書く文で「校長」という言葉を使うのは、自慢でも何でもなく単なる職名や職制のことだ。「長」が偉いとか、社会的に認知されている、とかの意味で使っているのではないことを明記しておきたい。現実には、肩書きや職名でその人を判断する人もいるので、あえて記しておいた。)

 吹奏楽の練習に時々顔を出していて、その人となりや、練習態度をよく分かっていた。中一の時から見ているので、もう12年も見ていることになる。否応なしに成長を見てきたということだ。私の今の仕事関係ではいろいろな人にお世話になっている。そのことも書きたいのだが、それは、仕事とのかかわりが有るので後日に回すこととする。このピアニストのことを少し書く。中一の時から卓越した音楽の才能を持っていた。音楽性にあふれているのが一番の特徴だ。音楽の道に進むものと思っていたのだが、音楽以外にも何でもできる能力があるためなのか、結局IТ関係の会社に就職した。勤務は厳しいのが当然だ。その中で、練習時間を確保しているのだろう。今回はメインの第四ステージのピアノを担当するになった。

 時間は私にとって重要な意味をもつ。12年間、途切れることなく音楽表現を一緒にしてきたという事実はまぎれもないことだ。前述したように利害関係もない、音楽とのかかわりだけで教え子の成長を書くことができるのは幸いだ。来月10日に迫った女声合唱団「ねむの花」の演奏会の事とともに、各ステージのピアノ伴奏のことも併せて書いてみたい。




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ねむの花 第4回演奏会 「邦人作曲家四人展」

指揮者/高橋利幸HP

合唱組曲の指揮