(指揮者/高橋利幸HP 『徒然草』 2007.12.27*二十七段* より)

 少し先の話になるが「邦人作曲家四人展」という演奏会を2008年5月にひらく。大中 恩、三善 晃、磯部 叔、高田三郎の四人の女声合唱曲の夕べだ。大中さんの作品からは「海の若者」「秋の女よ」などの曲を四曲、三善さんの作品からは「女声合唱のための三つの叙情」、磯部さんの作品からは女声合唱組曲「噴水のある風景」、高田さんの作品からは合唱組曲「水のいのち」を選曲してみた。
 四人の作曲家とも他の名曲を数多く作曲されおり、これらの作品をもって作曲家のすべてをあらわすことはできないが、どれも魅力的な曲ばかりで、それぞれの美しさ、精神性、音楽性を充分味わえる名曲ばかりだ。
 前回の徒然草で邦人作曲家の古典といえる曲を演奏していきたいと書いたが、この演奏会はその実現のひとつでもある。

 「海の若者」と「秋の女よ」はどうしても女声合唱で演奏をしたくなり、大中さんにお願いして混声から女声に編曲をしていただいたものだ。かなり前のことだが、その時の大中さん自筆の楽譜を大切にとってある。

 三善さんの三つの叙情は日本女子大学合唱団の委嘱で組曲として完成した曲で、立原道造と中原中也の三つの詩の世界をさらに究極とも言える高みに引き上げている。もちろん三善さんの研ぎ澄まされた感性が際立っていることは言うまでもない。

 磯部さんの組曲は作曲された時期の若い女性の心象風景を歌い上げたものだ。はつらつとした中にそこはかとなくちりばめられた影のようなうつろいにこころを奪われる。

 四人目の作曲家として演奏の最後を飾るのは高田さんの水のいのちだ。この曲ほど多くの合唱団がとりあげ、また多くの合唱愛好家の心をとらえた曲はないだろう。私の願い、心の四季、と同様に作曲家の人生観が曲になったといえる。構成のしっかりした、甘さや緩さを感じさせない凛とした合唱曲だ。それだけに表現が難しい。浅い表面的な演奏は許されない。何度も指揮をしているのに自分で納得できる指揮にならない。何度でも挑戦したい気持ちにさせる合唱組曲の名曲だ。

 演奏会そのものの詳細はおって書いていきたい。


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ねむの花 第4回演奏会 「邦人作曲家四人展」

指揮者/高橋利幸HP


邦人作曲家四人展